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地震情報

  1. 東北地方太平洋沖地震と東日本大震災
  2. 東海地震とは
  3. 東海地震が東北地方太平洋沖地震に誘発される可能性
  4. 東海地震に関する予言・デマ
  5. 地震関連用語説明

1. 東北地方太平洋沖地震と東日本大震災

東北地方太平洋沖地震(とうほくちほうたいへいようおきじしん)は、2011年(平成23年)3月11日14時46分頃に、日本の太平洋三陸沖の深さ24kmで発生したマグニチュード9.0(M9.0)の海溝型地震である。震央は気象庁発表では、北緯38度6分12秒、東経142度51分36秒であり、米国地質調査所発表では北緯38度19分19秒、東経142度22分8秒である。このM9.0という地震の規模は、1923年の関東地震(関東大震災)のM7.9や1994年の北海道東方沖地震のM8.2を上回る日本国内観測史上最大の地震である。


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日本政府は2011年4月1日に、この地震による震災の名称を「東日本大震災」とすることを了解した。規模な被害を出した地震の場合、関東地震に対する関東大震災、兵庫県南部地震に対する阪神・淡路大震災のように、地震そのものと震災の名称が異なる。この震災についても名称が統一される前はマスコミなど各組織がいくつかの名称を用いていた。


2. 東海地震とは

東海地震(とうかいじしん)は、駿河湾内に位置する駿河トラフで周期的に発生する海溝型地震。マグニチュード8級と想定されている。政府はこの地震に対する対策をとっている。
東南海地震(東海道 - 紀伊半島)、南海地震(紀伊半島 - 四国)としばしば連動して発生する。近年の研究では単独で発生した痕跡は見つかっていないため、東南海地震と連動してのみ発生するという説も広がっている。

東海・南海・東南海連動型地震概略図

東海地震は、約100〜150年の周期で発生すると考えられている。これは過去に起こった東海地震の歴史から推測されたものである。実際にその歴史をみて、考えてみましょう。

表1.1 東海地震の歴史
地震発生年 地震の名称 マグニチュード 前の地震との間隔
684年 白鳳地震 M8.0〜8.3 -
887年 仁和地震 M8.0〜8.3 203年
1096年 永長東海地震 M8.0〜8.5 209年
1498年 明応東海地震 M8.4 402年
1605年 慶長地震 M7.9 107年
1707年 宝永地震 M8.4 102年
1854年 安政東海地震 M8.4 147年

どうでしょうか?この歴史から考えると、「100〜150年の周期で発生する」と考えるのは、少し乱暴な気がします。テレビで、「ここ20〜30年以内に必ず起きる地震だ!」などと報道されたりしますが、根拠のないものですので、あまり信じ込まないようにして下さい。

個人的に調べてみた結果、東海地震は東南海地震、南海地震との連動を考慮した上で、推測した方が妥当だと思いました。

東海・南海・東南海連動型地震を以下の表にまとめました。
表の見方を説明します。まず左端の列は地震の名称を年号順に載せました。残りの3列は南海地震、東南海地震、東海地震が発生したか否かを示すもので、「○」ならば「発生した」、「×」ならば「発生していない(報告されていない)」としました。発生した場合、「○:年号」として、地震が起こった年を示しました。

この表から、東海地震、南海地震、東南海地震はそれぞれ連動して起こっていることが分かります。そして、南海地震が頻繁に起こっているのに対し、東海地震が発生しない時もあることが見てとれます。

そもそも、「東海地震が近い将来必ず起こる。」と予想されたのは、昭和東南海地震(1944〜1946年)において、南海地震と東南海地震が発生したにも関わらず、東海地震だけ発生しなかったことが原因です。研究者は「東海地震も近い将来に(連動するように)発生するはずだ。」と考えたのです。しかし、1970年代から起こると予想されてきた東海地震は現在(2011年)に至るまで起こっていません。

極めて楽観的に考えるならば、「東海地震は次回の連動型地震まで起こらない。」と考えることも可能です。正平地震の際には東海地震が発生しなかったように、今回も東海地震だけ発生しないということは十分考えられることだと思います。その場合、おそらく200年以内に起こるであろう南海・東南海地震の時に、同時に東海地震が発生する可能性が高いでしょう。
これはあくまで個人的な考えです。閲覧していただいた方には、「いろんな可能性がある」ということを知ってほしいのです。東海地震がいつ起こるかなんて、誰にも分からないことなので、「必ず〜だ!」という風に断定する言葉を信用しないでください。不安は伝達するものなので、皆さんが冷静になることが大切です。

表1.2 東海・南海・東南海連動型地震の歴史
地震の名称 南海地震 東南海地震 東海地震
白鳳地震 ○:684年 ○:684年 ○:684年
仁和地震 ○:887年 ○:887年 ○:887年
永長・康和地震 ○:1099年 △(※1) ○:1096年
正平地震 ○:1361年 ○:1360年 ×
明応地震 ○:1498年 ○:1498年 ○:1498年
慶長地震 ○:1605年 ○:1605年 ○:1605年
宝永地震 ○:1707年 ○:1707年 ○:1707年
安政地震 ○:1854年 ○:1854年 ○:1854年
昭和東南海地震 ○:1946年 ○:1944年 ×
※1:1200年ごろ、東海、東南海、南海地震のいずれかまたは複数が発生したと推定されている。


3. 東海地震が東北地方太平洋沖地震に誘発される可能性

東北地方太平洋沖地震の翌日に長野県・新潟県県境付近でM6.7の地震が発生し、4日後には静岡県東部でM6.4の地震が発生しました。
これらの地震は、 東北地方太平洋沖地震の余震ではなく、東北地方太平洋沖地震とは異なるメカニズムによる地震です。翌日や4日後に起こっていることを考えれば、これらの地震は東北地方太平洋沖地震に誘発されたと考えるのが妥当だと思います。しかし、気象庁では、東北地方太平洋沖地震の地殻変動などから誘発されたという波及効果については、「否定はできないが、地震誘発のメカニズムは解明されておらず分からない」と発表しています。

このことから分かる通り、地震がどのように起こるかは、未だ専門家や研究者にも理解できていないのです。東海地震とはでも少し触れましたが、「東海地震がいつまでに起こる」という学者の予想も実際外れているのです。

そのため、「今回の地震によって東海地震が発生する!」もしくは「今回の地震と東海地震には全く関係がない!」などと偏った報道がなされても、鵜呑みにしてはいけません。

上記の事を踏まえたうえで、過去の歴史から東海地震が誘発される可能性を考えてみましょう。表1.3は、過去に起こった三陸沖地震の歴史です。一番下に記載した地震が今回起こった東北地方太平洋沖地震です。

表1.3と、表1.2を見比べてみてください。すると、三陸沖地震の直後に東海地震が起こったという記録がないことが分かります。発生時期が一番近い例でも、貞観地震(869年)の後の仁和地震(887年)であり、約8年間の月日が経過しています。これが誘発されたものか否かは判断が難しい所だが、三陸沖地震が東海地震を誘発したという歴史上の記録はなかったと見て間違いではないと思われます。

しかしながら、他の三陸沖地震と比べると、今回起こった東北地方太平洋沖地震はM9.0と非常に大きい規模の地震です。これによって、どの程度プレートに影響を及ぼすかは分からないため、「三陸沖地震は東海地震を誘発しない。」と断定することはできません。

いつ地震が起こっても良いように最大限の備えをしつつ、神経質になりすぎないでください。また、誤った情報に惑わされない強い心を持ってください。

表1.3 三陸沖地震の歴史
発生日時 地震の名称 マグニチュード
869年7月9日 貞観地震 M8.3〜8.6
1611年12月2日 慶長三陸地震 M8.1
1896年6月15日 明治三陸地震 M8.2〜8.5
1933年3月3日 昭和三陸地震 M8.1
2011年3月11日 東北地方太平洋沖地震 M9.0

4. 東海地震に関する予言・デマ

「東海地震が×月×日に起こる」などという予言が多くのサイトで見られました。特に2011年のゴールデンウィーク中や5月11日などに起こるとされた予言は非常に多かったです。当然全てハズれましたが・・・。これらの予言は科学的根拠が全くありませんので、信用しないでください。
予知能力などというものを全否定している訳ではありませんが、現在言われているような予言は営利目的や注目を浴びたいなどの悪質なものが非常に多いです。東海地震に関する予言は全てデマだと思ってください。

浜岡原発停止要請以後、「政府は東海地震がいつ起こるかという情報を得ていて、30年以内に87%という確率は嘘だ」のようなことを言う人がいますが、このような事はありえません。現在の研究では、地震がいつ起こるかということを特定できないからです。

とうか皆さん、ネット上に転がっている疑わしい情報に惑わされないでください。不安は他の人に伝染し、拡大していきます。皆さん1人1人がが強い心をもって、デマの拡大防止に努めてください。


5. 地震関連用語説明

駿河トラフ

駿河トラフ(するがトラフ)とは、ユーラシアプレート東端とフィリピン海プレート北端のプレート境界の内、特に北端部の駿河湾内に位置するプレート境界(トラフ)である。(ちなみにトラフ (trough) とは、細長い海底盆地で、深さが6000m以下のものである。深さ6000mを超えるものは海溝という。)

マグニチュード

マグニチュードとは、地震の規模、大きさ、等級を定量的に表す指標値である。「ある地点の地震計の最大振幅」と「その地震計と震源との距離」から見積もられている。Mが1大きいと、約32倍のエネルギーとなる。例えば、M7.0の地震はM6.0の地震の約32倍のエネルギーを持つ。

震度

震度とは、ある地震に対するある場所での地面の揺れの大きさを表す尺度のことです。気象庁の震度階級は「震度0」「震度1」「震度2」「震度3」「震度4」「震度5弱」「震度5強」「震度6弱」「震度6強」「震度7」の10階級となっている。


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